Yearley (2007)

Steven Yearley (2007)
36 Nature and the Environment in Science and Technology Studies
E. J. Hackeet et al. (eds). The Handbook of Science and Technology Studies: 921-948.
科学技術論における自然と環境


1. KNOWING NATURE 自然を知る

・ 環境問題の分析、環境主義の分析、の議論の必要性には、さらに2つの理由がある。
・ 前進した近代性における「自然」の位置づけ。
「自然の終焉」end of nature (McKibben, 1989)、そのなかでどう自然は構成されるか。
自然美は不自然、害は自然。
・ 最近の研究は、温暖化とGM食品が多いが、遺伝・生殖も大切。
・ 鍵は、自然を知ること。


2. GLOBAL WARMING AND HUMANLY INDUCED CLIMATE CHANGE
地球温暖化と人為的気候変動

・ IPCCという科学者組織とそのシミュレーションへの依存。方法論や科学者共同体の分析。
 モデラーエスノグラフィ。総合・複雑化志向と効率・長期間志向。
・ IPCC内での交渉。人命の経済的価値の見積もり方など。
・ IPCCとその他との温暖化論争。お金、IPCC外にpeerがいない、
・ 社会科学の関与。参加手法。
Ulysses (Urban lifestyles, sustainability, and integrated environmental assessment)
・ 政治過程のなかでの科学者共同体の役割


3. GENETIC MODIFICATION AND GM PLANTS AND FOODS
遺伝子組み換えと遺伝子組み換え植物・食物

・ 安全性試験。予防原則。成分の同等性が実施的同等性。
・ 「パスタイ事件」Pusztai affair (Eriksson, 2004)。専門家の立場、専門家の構成。
・ 業者の誤りにも目が向けられてきた。妥当な試験とは、表示や追跡可能性の議論、知的所有権
・ 抵抗や不安が適切か。対称的に分析。
1996年のBSEの記憶、自然遺産と農業は不可分、貿易摩擦
・ 一般人への諮問。参加者は、倫理や政策よりも、事実関係に注目していた。
・ 農場実験での否定的な結果。参加した農家は肯定的。
・ メディア分析。否定的意見をそこまで誇張しているわけではない。


4. CONSTRUCTING AND PERFORMING NATURE 自然の構成と実行

・ 自然と文化は不可分。
・ いつの状態を「自然」とするか。USでは、コロンブス以前を野生と考えることができるが。
・ 保護活動のための荒地観(Helford, 1999)。安定した「極相」はなく常に変動。火災の役割。「無自然」。
・ 天候の操作。


5. CONCLUSION: NATURE, THE ENVIRONMENT, AND STS
結論: 自然、環境、科学技術論

・ STSは前進した近代において「自然を知る」ことを理解するための重要な分野である。