瀬名秀明さん、第1回

講義の報告と感想(まずは手短かに)。

10月11日(火)の5限、6限、プログラムが始まって、ふたつめの授業である。
講師の瀬名秀明さんに加えて、森健さん川端裕人さんが、それぞれ自分が書く意味について語られた。「どう書くか」「なにを書くか」という前に、「なぜ書くか」について考える。

はっきりと明言してはいなかったが、お三方はみな、根本として、書くこと自体を楽しんでいるのだろう。瀬名さんや川端さんは小説の新人賞に応募していたそうだし、森さんも文章は学生時代の舞台や映画などの活動の一環だったようだ。

かれらは自分の主張を声高に訴えるわけではない。「結論を言うことよりも、思考の過程が大事」というスタンスの森さん、賛否は「どっちでもいい」と言いきりながらたとえば捕鯨問題の歴史を掘りおこす川端さん。そういう表現によって人々の心が動かされていくのだろう。

話をうかがっていて、書き手の人はかなりの部分を読者にゆだねていることがよくわかった。そしてそれを楽しんでいるようなのがちょっとうらやましく感じた。

執筆という活動が、その人その人の生き方とともに展開されていることが実感できた。


あと、いくつかキーワードだけ。
バランス感覚、反応、時代性、境界、疫学。