6/26土 横山尊氏「一九三〇−四〇年代の日本における産児調節の「禁圧」と優生学」

生物学史研究会(日本科学史学会 生物学史分科会)
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft12153/hisbio/meeting_j.htm

《日時》 6月26日(土) 午後3:00〜5:30

《場所》 東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室
(※京王井の頭線駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html

《報告者》
横山尊氏(九州大学大学文書館 百年史編集室テクニカルスタッフ)

《題目》
「一九三〇−四〇年代の日本における産児調節の「禁圧」と優生学

《内容紹介》
本報告は、戦前日本の優生学産児調節の関係を問い直し、整理することを試みます。
昨今は、産児調節運動に分析の力点を置き、両者の密接不可分性を論じる研究が多く出されてきました。一方で永井潜らの優生学論者は産児調節を攻撃しました。実際は、産児調節推進派と反対派の構想に大きな相違はなかったとの指摘もあります。しかし、推進派は一部で弾圧の対象とされ、反対派は国家政策に深く関与した理由は未だに不明瞭です。
これは産児調節の「禁圧」と密接に関わります。一般には、一九三〇年の内務省令「有害避妊具取締規則」により産児調節運動が弾圧され、一九四〇年の国民優生法で産児調節は「禁圧」されたと理解されます。しかし、「禁圧」の内容や範囲、影響の理解は曖昧なものに止まっています。
本報告は、特に「有害避妊具取締規則」、国民優生法第十五、十六条の成立に焦点を当て、厚生省官僚の構想や内務省のメディア統制をふまえて再検討します。

※ 会場の準備のため、参加される方は
参加申し込みフォーム(http://bit.ly/9Hx9Ux)にご記入いただくか、
住田朋久(sumidatomohisa@gmail.com)までご連絡いただけると
ありがたく存じます。

なお、今後は以下を予定しています。
7月17日(土)内田賢太郎氏
8月(日程未定) 林田愛氏
9月25日(土)金森修氏(『〈生政治〉の哲学』)


参考: 横山尊氏の作品
横山尊(2009)「明治後期-大正期における科学ジャーナリズムの生成--雑誌『科学世界』の基礎的研究を通して」『メディア史研究』26, 81-106.
横山尊(2009)「『文化生活』の優生学--大正期の科学啓蒙と雑誌メディア」『日本歴史』730, 75-95.
横山尊・山口輝臣(2005)「六 思想・文化1」(近現代, 日本, 2004年の歴史学界-回顧と展望-)『史學雜誌』114(5).